次世代金融インフラの提供を通して組込型金融を実現するFinatextグループの株式会社ナウキャスト(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:辻中 仁士、以下「当社」)は、クレジットカード決済データや人流データなどのオルタナティブデータと企業のマーケティングデータを組み合わせた出店分析ソリューション「MarketLens(マーケットレンズ)」の提供を開始しました。導入第1弾として、GYRO HOLDINGS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:根本 寿一、以下「GYRO」)の新規出店候補の売上を予測し、新規出店判断の意思決定支援を開始しました。
出店候補地の様々なデータを用いて市場環境や地域特性を把握し、新規出店の収益予測などを行う出店分析において、人口統計や地理統計、顧客データに加えて、民間事業者が収集・提供するデータの活用が広がっています。
当社は、クレジットカードの決済データやPOSデータ、位置情報データなど、性質の異なる複数のオルタナティブデータを組み合わせた分析を得意とし、主に国内外の機関投資家向けにサービスを提供してきましたが、近年の新規出店時のデータ活用ニーズの高まりを受け、企業の新規出店をサポートするビジネスにも事業領域を拡大しています。これまで、飲食店、小売店、大型商業施設などを運営する複数の企業の出店分析をプロジェクトベースで支援してきましたが、その中で得られた知見やノウハウをより多くの企業に提供するため、この度「MarketLens」としてソリューション化しました。
◯ソリューション概要
飲食店や小売店、大型商業施設など、店舗ビジネスを展開する企業に対して、さまざまなオルタナティブデータを組み合わせた出店分析を提供します。
◯活用可能データ(順次追加)
・クレジットカード決済データ
・人流データ(位置情報データ)
・求人データ
・店舗開業データ
・家計簿データ
※ 分析に用いるデータには、氏名、生年月日等の個人を特定できる情報は一切含まず、また活用に際しては統計化したうえで、個人情報に復元できないように加工したものを使用します。
◯活用例
1)出店検討エリアの購買傾向をもとにエリアを選定し、さらにターゲットにすべき顧客層を明確にする
・出店検討エリアにおける顧客の購買力や業種別の決済トレンドをもとに、収益が見込めるエリアを選定できます。
・公的統計とクレジットカード決済データから出店検討エリアの購買層の性・年代構成比を把握し、ターゲットにすべき顧客層を明確にできます。
2)新規出店やリニューアル後の店舗の売上を予測し、精緻かつ迅速に出退店判断を行う
・衝動来店性の高い業態においては、人流データを用いた売上予測を行います。これにより衝動来店が見込まれる高トラフィックエリアを特定し、最適な立地を選定できます。
・目的来店性の高い業態においては、クレジットカード決済データを用いた売上予測を行います。これにより、エリアニーズに沿った業種・業態での出店を判断することができます。
◯画面イメージ
グループ内で90ブランド、230店舗以上のレストランやカフェなどを運営するGYROは従来、新規出店判断において担当者個人の経験や知識を重視した意思決定を行っていましたが、現在は自社で収集した顧客データや出店エリアに関する調査データといったマーケティングデータも活用しながら、定量的なデータを用いた意思決定を強化しています。
当社は、2022年にGYROの子会社が運営する美容室の新規出店エリアの適性判断を支援しており、今回「対象ブランドや店舗を拡大してよりデータドリブンな分析を行いたい」というGYROの店舗開発部の要望を受け、「MarketLens」を導入いただきました。具体的には、クレジットカード決済データおよびGYROの既存店舗のマーケティングデータを用い、新規出店候補の売上予測モデルを構築しました。このモデルでは平均誤差率13.1%の予測を実現しました。また、売上予測の裏付けとして活用できるよう、クレジットカード決済データをもとにターゲット地域の客層や地域内店舗の業種や価格帯を詳細に分析することが可能になりました。
これにより、GYROの店舗開発部は、新規出店判断における意思決定の精緻化と迅速化を実現しました。
◯分析イメージ
・低価格帯居酒屋に関する売上予測
・ターゲット地域の客層分析
当社は今後も、様々なオルタナティブデータを組み合わせて、GYROが展開する多種多様な店舗の新規出店判断をサポートしていきます。
【参考情報】
・ナウキャスト、位置情報データと企業のマーケティングデータを組み合わせた商圏分析でGYRO HOLDINGSの新規出店判断を支援(2022年6月27日 プレスリリース)
・GYRO HOLDINGS株式会社
以 上