2022.01.27
プレスリリース

国内消費指数「JCB消費NOW」でみる2021年消費動向総括

10月後半以降消費全体はコロナ前比でプラスに回復も、オミクロン株の感染拡大に伴いサービス消費が年末に足踏み

株式会社ナウキャスト(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:辻中 仁士、以下 ナウキャスト)と株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役会長兼執行役員社長:浜川 一郎、以下 JCB)は、国内消費指数「JCB消費NOW(※)」を用いて、2021年1月から12月までの消費動向を振り返りました。また、都道府県をまたいだ消費をとらえる「From To 指数」を用いて、都市部(東京と大阪)とリゾート地(北海道と沖縄)のホテルにおける消費者の居住地構成推移を比較しました。
※プライバシーを保護した形で加工したJCBカードの取引データを活用し、現金も含むすべての消費動向を捉えた国内消費指数。

2021年消費動向の総括


※ベースライン対比は2016年~2018年の同期平均との比較。
※小売総合は小売消費全体の動向、サービス総合はサービス消費全体の動向を示し、全総合は小売総合およびサービス消費を合わせた消費全体の動向を示す。

ハイライト

  • 1月-3月:サービス消費が年初1月7日の緊急事態宣言発令により減少し、1月後半に底をつける。その後、感染者数の減少に伴い3月後半まで回復する。
  • 4月-5月:4月25日から3度目の緊急事態宣言発令。以降、消費が減少し5月後半で2番底をつける。
  • 6月:緊急事態宣言解除で消費回復。またワクチンの接種ペースが高齢者中心に加速する。
  • 7月:新規陽性者数は増加に転じるも、オリンピック開催およびそれに伴う4連休の特殊要因により、7月後半まで消費回復。
  • 8月-9月:過去最高ペースの新規陽性者数増加、緊急事態宣言対象地域の全国的な拡大により3番目の底をつける。
  • 10月-11月:国内居住者の5割以上がワクチン接種完了した上での緊急事態宣言解除。新規陽性者数の減少傾向が続き、全総合がベースライン比でプラスに。
  • 12月:新型コロナウイルスのオミクロン株の国内市中感染が確認され、外出関連消費中心にサービス総合の回復が足踏み。


各地域のホテルにおける消費者居住地構成の推移(From To 指数)

From To 指数では、一部業種において、どの都道府県の居住者がどの都道府県でどのくらい消費したかを示す指数「CI値」を公開しております。「CI値」は、消費人数変化をベースとした「CI値人数」および消費金額変化をベースとした「CI値金額」を公開しております。「CI値人数」および「CI値金額」ともに、期間推移や他都道府県間差異等の比較を容易にすることを目的とした指数であり実際の消費人数や消費金額を示すものではございません。

【From To 指数 公開業種】百貨店/ショッピングセンター/居酒屋/ホテル/ビジネスホテル/ゴルフ場/遊園地

●都市部(東京・大阪)

  • 2021年9月以降は遠方(都内/府内および近隣県以外の都道府県)からの人流回復が加速したと見られ、2021年11月には東京・大阪ともに都内・府内の割合が2020年3月以降でコロナ禍前の水準にもっとも近づいた。
  • 新型コロナウイルスのオミクロン株の国内市中感染が確認された12月は、東京・大阪ともに遠方からの割合が減少した。
  • コロナ禍で拡大した近隣県の割合(赤線)は、特に東京では高止まりしている。



●リゾート地(北海道・沖縄)

  • 北海道では、7月以降道内の割合が上昇傾向にあったが、オンシーズンに入った12月は三大都市圏の割合が増加。
  • 沖縄では、11月までは三大都市圏を除く県外の割合が回復傾向にあったが、12月は減少した。




今後もナウキャストとJCBは「JCB消費NOW」を通じて、国内消費動向をタイムリーに提供していきます。


(以下、ご参考)

■「JCB消費NOW」について

「JCB消費NOW」は、日本発唯一の国際カードブランド運営会社であるJCBと最先端のビックデータ解析ノウハウを持つナウキャストが開発した、消費活動の“今”を知るための指標です。プライバシーを保護した形で加工したJCBカードの取引データを活用して、 “現金も含めた国内消費全体の実勢”を捉える消費指数を提供します。クレジットカードの決済データをもとに算出しているため、インターネットショッピングやキャッシュレス決済を含む幅広い消費の動向を捉えることが可能で、財やサービスの消費動向を示す総合消費指数や総合消費をマクロ・ミクロに分類した業種別消費指数など合計66種の指数を提供しています。性別・地域・年代といった属性別のデータも備えており、多面的に消費動向を分析することができます。また、データを集計して約2週間で配信するため政府等が公表する既存の消費統計と比べて速報性が大幅に向上しており、金融機関やシンクタンク、官公庁のレポート等で多数引用されています。現在、国や地方行政機関をはじめ、企業のマーケティング部門、証券会社・投資銀行等の金融機関、経営コンサルティング会社、報道機関等、多岐にわたるお客様に経済を捉える指標としてご活用いただいております。
2021年7月に日本銀行が行った「消費活動指数」の推計方法の見直しでは、消費動向の変化を迅速に捉えるための補助系列「消費活動指数+(プラス)」にて「JCB消費NOW」が活用されました。

◯「JCB消費NOW」1か月間無料トライアル
「JCB消費NOW」のトライアル会員に登録すると、マクロレポートを含む「JCB消費NOW」のすべての機能を1か月間無料でご利用いただけます。以下のページからご登録ください。

 https://www.jcbconsumptionnow.com/member/register 
 お問い合わせ先:「JCB消費NOW」セールスチーム TEL:03-6272-5550

◯ご参考:官公庁などによる「JCB消費NOW」活用事例
経済産業省「産業構造成長戦略部会」基礎資料(2020年5月1日)
首相官邸「未来投資会議資料」(2020年5月14日)
内閣府「マンスリー・トピックス」(2020年10月23日)
内閣府「経済財政諮問会議」第2回会議資料「経済再生に向けて ~緊急事態宣言後を見据えた取組の強化~(参考資料)」(2021年2月24日)
内閣府「月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料(2021年4月22日)
日本銀行「経済・物価情勢の展望」(2021年4月28日
内閣府「地域経済動向」(2021年6月4日)
内閣官房「成長戦略会議(第12回) 成長戦略実行計画」(2021年6月18日)
内閣府「月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料」(2021年6月24日)
日本銀行「近年の消費行動の変化を踏まえた消費活動指数の推計方法の見直しについて」(2021年7月7日)
日本銀行「経済・物価情勢の展望」(2021年10月29日)

※個人情報保護法および関連法を順守し、クレジットカードのデータはJCBにて特定の個人を識別できない・元の情報に復元できない状態に匿名加工処理を行い、ナウキャストが消費指数(統計)を作成することで、JCBカード会員皆様の個人情報・プライバシーを保護しています。
※「JCB消費NOW」は、クレジットカードの取引等のデータから、現金支出を含めた国内の個人消費全体を分析するため、外れ値処理や新規入会者のバイアス除去、クレジットカードの支払いが多くなりがちな業種の補正処理などの統計化処理を行っています。


株式会社ナウキャストについて https://nowcast.co.jp/

ナウキャストは日本のオルタナティブデータのリーディングカンパニーであり、ビッグデータ解析により、「消費者物価指数などの経済統計のリアルタイム化」、「企業の経営戦略の見える化」を行う東京大学発のFintechベンチャー企業です。東京大学経済学研究科渡辺努研究室における『東大日次物価指数(現:日経CPINow)』プロジェクトを前身として2015年2月に設立されました。現在POSデータ、クレジットカードデータなどのオルタナティブデータサービスを幅広く展開し、国内外250社以上の金融機関、シンクタンク、政府、政府系金融機関、海外ヘッジファンド等の資産運用、経済調査業務を支援しております。
 
◯オルタナティブデータについてはこちらをご参照ください。
 https://nowcast.co.jp/concept


■株式会社ジェーシービーについて https://www.global.jcb/ja/

1961年に設立し、日本発唯一の国際カードブランドを運営する企業としてJCBカードを利用できる加盟店ネットワークを展開するとともに、アジアを中心に国内外のパートナー企業とJCBカードの発行を拡大しています。また、総合決済サービス企業の実現を目指し、お客様やパートナー企業の皆様の期待にお応えする様々な事業を展開しています。国内外で1億4千万人以上の方にJCBカードをご利用いただいています。(2021年9月末現在)

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