2020年9月15日
株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役会長兼執行役員社長:浜川 一郎、以下:JCB)と株式会社ナウキャスト(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:辻中 仁士、以下:ナウキャスト)は、現金も含むすべての消費動向を捉えた国内消費指数「JCB消費NOW」の8月後半(8月16日~8月31日)、8月全体(8月1日~8月31日)の速報値を更新しました。8月後半の概要を公開します。
■8月後半・参考系列(注)ハイライト【ナウキャスト分析】
1)「小売総合」「サービス総合」ともに下落し、「全総合」も回復の足踏みがつづく
7月後半から8月前半にかけて新規感染者数(陽性確認者数)が急増し「小売総合」「サービス総合」ともに低調となり、「全総合」は8月前半に続き下落傾向に。依然、消費の回復は足踏みの状態が続いている。
※新規感染者数は、各期間中の日次合計値(全国)
参照元:厚生労働省・オープンデータ「陽性者数」
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/open-data.html
2)「外食」は悪化傾向続き、急回復していた「娯楽」は4カ月ぶりに悪化に転じる
「Go To トラベル」キャンペーン期間中の7月後半から「旅行」「宿泊」は緩やかな回復傾向にあったが、新型コロナウイルスの新規感染者数が7月後半から8月前半にかけて急増したことにより、8月後半は下落幅を拡大、回復は足踏みの状態となっている。また、「居酒屋」を含む「外食」も悪化傾向にあり、急回復していた「娯楽」も「遊園地」や「ゴルフ場」が大きく下落したことで、4月後半以降、4カ月ぶりに下落に転じた。
3)居酒屋から酒屋へシフト。家飲みは男性より女性で増加傾向強い可能性
外出を伴う「居酒屋」とは対照的に、「酒屋」はコロナ前に比べてプラスの状態が続いており、「居酒屋」から「酒屋」へ消費のシフトが起こっている。男女別で消費動向をみると、女性は男性に比べて、「居酒屋」消費を控えている一方で、「酒屋」消費に積極的になっていることがうかがえる。
4)新規感染者数急増後、「EC」「コンテンツ配信」消費人数が増加し、デジタル消費は高い伸び率を維持。
「EC」「コンテンツ配信はいずれもコロナ前に比べて20%以上の強い伸びが続いているが、新規感染者数が急増した7月後半以降、消費をする人の数が増えており、感染拡大の懸念の高まりを受け、消費者がデジタル消費を高める傾向がうかがえる。
5)「家電」や「家具」の耐久財消費の伸びは縮小傾向に
家電などを含む「機械器具小売業」や「家具」などの耐久財消費は、リモートワークの増加など家での時間が増えることに伴い、消費の伸びが続いていたが、伸び率が縮小傾向にある。
■ご参考)JCB消費NOW8月月次・本系列
・日本銀行発表の「消費活動指数」との比較。
「消費活動指数」は国内総生産(GDP)の約6割を占める個人消費の動向を把握するために開発された指数。
出所:日本銀行 消費活動指数
https://www.boj.or.jp/research/research_data/cai/index.htm/
※「JCB 消費 NOW」は、JCB グループ会員のうち、約 100 万会員のクレジットカード決済情報を基に JCB とナウキャストが算出した、現金を含む国内の消費全体を捉えた消費動向指数となります。クレジットカード決済情報そのものではございません。
※グラフ等引用される際は、出所:JCB/ナウキャスト「JCB消費NOW」と必ず記載ください。データをご活用される場合は、ナウキャストもしくはJCBにご連絡ください。
※1月後半と8月後半の比較においては、各期の前年比変化率の差異を見ているので、季節性による変化は含まれておりません。
※「EC」項目はオンライン消費のみ。「EC」以外の「業種別消費指数」はオフライン消費とオンライン消費どちらも含んでいます。
※JCB消費NOWはJCBグループのカード会員様のうち、無作為に抽出した約100万人分の決済データを活用して作成しています。国内会員に絞っているためインバウンド消費を含みません。
【リリースPDFはコチラ】
各種データにご関心をお持ちの場合は、プレスリリースに記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
■「JCB消費NOW」 1か月間無料トライアルはこちら
https://www.jcbconsumptionnow.com/member/register
■データや会員登録などに関するお問合せ先
「JCB消費NOW」運営事務局
TEL:03-6272-5550
MAIL:info@nowcast.co.jp
■「JCB消費NOW」について
https://www.jcbconsumptionnow.com/
「JCB消費NOW」は、匿名加工されたJCBのクレジットカードの取引データを活用して、“現金も含めた消費全体の実勢”を捉える消費指数を提供するサービスです。財やサービスの 消費動向を示す総合消費指標や、総合消費をマクロ・ミクロに分類した業種別消費指数など合計49種の指数を提供しています。性別・地 域・年代といった属性別のデータも備えており、多面的に消費動向を分析することが可能です。また、データを集 計して約2週間で配信するため政府等が公表する既存の消費統計と比べて速報性が大幅に向上しています。
現在、国や地方行政機関をはじめ、企業のマーケティング部門、証券会社・投資銀行等の金融機関、経営コンサルティング会社、報道機関等、多岐にわたるお客様に、経済を捉える指標としてご活用いただいております。
(活用例)
・経済産業省「産業構造成長戦略部会」基礎資料(2020年5月1日)
・首相官邸「未来投資会議資料」(2020年5月14日)
・内閣府「月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料」(2020年7月22日)
・内閣府「地域経済動向」(2020年9月7日)
※個人情報保護法および関連法を順守し、クレジットカードのデータはJCBにて特定の個人を識別できない・元の情報に復元できない状態に匿名加工処理を行い、ナウキャストが消費指数(統計)を作成することで、JCBカード会員の皆様の個人情報・プライバシーを保護しています。
※「JCB消費NOW」は、クレジットカードの取引等のデータから、現金支出を含めた国内の個人消費全体を分析するため、外れ値処理や新規入会者のバイアス除去、クレジットカードの支払いが多くなりがちな業種の補正処理などの統計化処理を行っています。
・業種別指数一覧
(注)「JCB消費NOW:参考系列」について
クレジットカードの取引等のデータから“現金も含めた消費全体の実勢”を捉える「JCB消費NOW」では、クレジッ トカード固有の事象を要因とした数値の偏りを防ぐため、通常、カード利用者数の増減影響を除いた形で分析し 、指数を提供しています。
しかし、新型コロナの消費への影響は、商業施設や店、テーマパークの休業・休園、旅行の中止などにより、「 交通」「娯楽」「宿泊」「旅行」などのレジャー関連業種、サービス業種においては、消費者の数そのものが減少していることが予想されます。そうした側面を考慮し、現在、通常とは違う「消費者の増減効果」を織り込んだ分析 手法を用いた「参考系列データ」を全項目(総合、業種別)で算出しております。
※前提としてナウキャスト技術顧問・東京大学大学院経済学研究科教授の渡辺努が、通常配信系列(本系列)と参考系列の違い、及び有用性について、レポートを執筆いたしました。下記リンクよりご覧ください。
クレジットカード支出金額の「1人当たり支出金額」と 「支出者数」への分解
■株式会社ナウキャストについて
http://www.nowcast.co.jp/
ナウキャストは日本のオルタナティブデータのリーディングカンパニーであり、ビッグデータ 解析により、「消費者物価指数などの経済統計のリアルタイム化」、「企業の経営戦略の見える化」を行う東京大学発のFintechベンチャー企業です。東京大学経済学研究科渡辺努研究室における『東大日次物価指数(現:日経CPINow)』プロジェクトを前身として2015年2月に設立されました。現在POSデータ、クレジットカードデータなどのオルタナティブデータサービスを幅広く展開し、国内外250社以上の金融機関、シンクタンク、政府、政府系金融機関、海外ヘッジファンド等の資産運用、経済調査業務を支援しております。
■株式会社ジェーシービーについて
https://www.global.jcb/ja/
1961年に設立し、日本で唯一の国際カードブランドを運営する企業としてJCBカード を利用できる加盟店ネットワークを展開するとともに、アジアを中心に国内外のパートナー企業とJCBカードの発行を拡大しています。また、総合決済サービス企業の実現を目指し、お客様やパートナー企業の皆様の期待にお応えする様々な事業を展開しています。 国内外で1億4千万人以上の方にJCBカードをご利用いただいています。(2020年3月末現在)