2020年7月1日(水)
株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役会長兼執行役員社長:浜川 一郎、以下:JCB)と株式会社ナウキャスト(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:辻中 仁士、以下:ナウキャスト)は、現金も含むすべての消費動向を捉えた国内消費動向指数「JCB消費NOW」の6月前半(6月1日~6月15日)の速報値の一部を公開しました。
緊急事態宣言解除後の6月前半、「百貨店」は大きく下げ幅を縮小し、「アパレル(織物・衣服・身の回り品小売業)」は伸びが拡大するなど、コロナ禍で落ち込んだ外出型消費の一部が急回復しています。その他の業種も全体を通じて、コロナ禍で落ち込んだ消費が5月後半に続いて回復基調を示していますが、「外食」の回復が早い一方で、「旅行」の回復の遅れが目立っています。また、巣ごもり消費で伸びていた「酒屋」は、「居酒屋」の回復とともに伸び率が鈍化し、「EC」や「コンテンツ配信」といったデジタル消費は伸び率が鈍化しているものの、依然として高い伸び率を示しており、消費者のデジタルシフトが見受けられます。
■6月前半・参考系列(注)トピックス【ナウキャスト分析】
1)「サービス総合」が大きく下げ幅を縮小
新型コロナウイルスの影響でほぼ全ての業種・業態で消費が落ち込んでいたが、全体として4月後半に底をつき足元は回復基調にある。「全総合」は5月後半に続いて下げ幅を縮小、「サービス総合」が大きく下げ幅を縮小したことが寄与した。「小売総合」は1月後半と比べてプラスの状態が続くも、5月後半よりも上げ幅は縮小した。
2)「百貨店」など外出型消費の一部が急回復
「百貨店」が急速に下げ幅を縮小し、回復基調が続いている。また、5月後半におよそ3か月ぶりにプラスへ転じた「アパレル(織物・衣服・身の回り品小売業)」はさらに伸びが拡大しており、コロナ禍で落ち込んだ外出型消費の一部が急回復している。
3)「外食」と「旅行」の回復ペースに差
コロナ禍で大きく消費が落ち込んだ外出型消費のうちサービス業種の「外食」「旅行」「交通」「娯楽」は厳しい状態が続くが、総じて緩やかな回復傾向にある。比較的身近な域内で消費ができる「外食」の回復は早いが、長距離移動を伴う「旅行」は回復の遅れが目立つ。
4)「居酒屋」の回復に伴い「酒屋」は伸びが鈍化
日常生活における外出が徐々にできるようになったことで「喫茶店・カフェ」は下げ幅を急速に縮小。また「居酒屋」の回復とともに、巣ごもり消費・宅飲み需要で伸びていた「酒屋」は伸び率の鈍化が鮮明となっている。
5)高い伸び率が続くデジタル消費
緊急事態宣言発令期間中に需要が高まった家電含む「機械器具小売業」や「EC」、「コンテンツ配信」といったデジタル消費は伸び率が鈍化しているものの、依然として高い伸び率を示しており、消費者のデジタルシフトが見受けられる。
6)回復が鈍いコンビニ
コロナ禍で消費が伸びた「スーパー」は、伸びが減速気味。「コンビニエンスストア」は緩やかに回復しているものの、1月後半の水準には遠い。
■6月前半(6月1日~6月15日)一部データ
※1月後半と6月前半の比較においては、各期の前年比差異を見ているので、季節性による変化は含まれておりません。
※「EC」項目はオンライン消費のみ。「EC」以外の「業種別消費指数」はオフライン消費とオンライン消費どちらも含んでいます。
※JCB消費NOWはJCBグループのカード会員様のうち、無作為に抽出した約100万人分の決済データを活用して作成しています。 国内会員に絞っているためインバウンド消費を含みません。
※当計数は一部を抜粋したものになります。データをご活用される場合は、ナウキャストもしくはJCBにご連絡ください。
※グラフ等引用される際は、出所:JCB/ナウキャスト「JCB消費NOW」と必ず記載ください。
【リリースPDFはコチラ】
各種データにご関心をお持ちの場合は、プレスリリースに記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
■「JCB消費NOW」 1か月間無料トライアルはこちら
https://www.jcbconsumptionnow.com/member/register
■データや会員登録などに関するお問合せ先
「JCB消費NOW」運営事務局
TEL:03-6272-5550
MAIL:info@nowcast.co.jp
■「JCB消費NOW」について
https://www.jcbconsumptionnow.com/
「JCB消費NOW」は、匿名加工されたJCBのクレジットカードの取引データを活用して、“現金も含めた消費全体の実勢”を捉える消費指数を提供するサービスです。財やサービスの 消費動向を示す総合消費指標や、総合消費をマクロ・ミクロに分類した業種別消費指数など合計48種の指数を提供しています。性別・地 域・年代といった属性別のデータも備えており、多面的に消費動向を分析することが可能です。また、データを集 計して約2週間で配信するため政府等が公表する既存の消費統計と比べて速報性が大幅に向上しています。
現在、国や地方行政機関をはじめ、企業のマーケティング部門、証券会社・投資銀行等の金融機関、経営コンサルティング会社、報道機関等、多岐にわたるお客様に、経済を捉える指標としてご活用いただいております。
(活用例)
・経済産業省「産業構造成長戦略部会」基礎資料(2020年5月1日)
・首相官邸「未来投資会議資料」(2020年5月14日)
・内閣府「月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料」(2020年6月19日)
※個人情報保護法および関連法を順守し、クレジットカードのデータはJCBにて特定の個人を識別できない・元の情報に復元できない状態に匿名加工処理を行い、ナウキャストが消費指数(統計)を作成することで、JCBカード会員の皆様の個人情報・プライバシーを保護しています。
※「JCB消費NOW」は、クレジットカードの取引等のデータから、現金支出を含めた国内の個人消費全体を分析するため、外れ値処理や新規入会者のバイアス除去、クレジットカードの支払いが多くなりがちな業種の補正処理などの統計化処理を行っています。
(注)「JCB消費NOW:参考系列」について
クレジットカードの取引等のデータから“現金も含めた消費全体の実勢”を捉える「JCB消費NOW」では、クレジッ トカード固有の事象を要因とした数値の偏りを防ぐため、通常、カード利用者数の増減影響を除いた形で分析し 、指数を提供しています。
しかし、新型コロナの消費への影響は、商業施設や店、テーマパークの休業・休園、旅行の中止などにより、「 交通」「娯楽」「宿泊」「旅行」などのレジャー関連業種、サービス業種においては、消費者の数そのものが減少していることが予想されます。そうした側面を考慮し、現在、通常とは違う「消費者の増減効果」を織り込んだ分析 手法を用いた「参考系列データ」を全項目(総合、業種別)で算出しております。
※前提としてナウキャスト技術顧問・東京大学大学院経済学研究科教授の渡辺努が、通常配信系列(本系列)と参考系列の違い、及び有用性について、レポートを執筆いたしました。下記リンクよりご覧ください。
クレジットカード支出金額の「1人当たり支出金額」と 「支出者数」への分解
■株式会社ナウキャストについて
http://www.nowcast.co.jp/
ナウキャストは日本のオルタナティブデータのリーディングカンパニーであり、ビッグデータ 解析により、「消費者物価指数などの経済統計のリアルタイム化」、「企業の経営戦略の見える化」を行う東京大学発のFintechベンチャー企業です。東京大学経済学研究科渡辺努研究室における『東大日次物価指数(現:日経CPINow)』プロジェクトを前身として2015年2月に設立されました。現在POSデータ、クレジットカードデータなどのオルタナティブデータサービスを幅広く展開し、国内外250社以上の金融機関、シンクタンク、政府、政府系金融機関、海外ヘッジファンド等の資産運用、経済調査業務を支援しております。
■株式会社ジェーシービーについて
https://www.global.jcb/ja/
1961年に設立し、日本で唯一の国際カードブランドを運営する企業としてJCBカード を利用できる加盟店ネットワークを展開するとともに、アジアを中心に国内外のパートナー企業とJCBカードの発行を拡大しています。また、総合決済サービス企業の実現を目指し、お客様やパートナー企業の皆様の期待にお応えする様々な事業を展開しています。 国内外で1億4千万人以上の方にJCBカードをご利用いただいています。(2020年3月末現在)