

株式会社Linc’well様は「テクノロジーを通じて、医療を一歩前へ」をミッションに掲げ、オンライン・オフラインで医療従事者と患者をつなぐヘルスケアプラットフォーム事業を展開しています。同社は、次世代型クリニックブランド「クリニックフォア」の新規開院支援において、データに基づいた客観的かつスピーディーな意思決定を実現するため、「DataLens店舗開発」を導入しました。導入に至った経緯や、活用の成果について、物件選定支援や立地戦略策定支援を担当されている吉沢様にお話を伺いました。
企業名:株式会社Linc’well(リンクウェル)
業種 :情報通信業
担当者:吉沢健介
URL :https://linc-well.com/
概要:
次世代スマートクリニック「クリニックフォア」の新規開院の物件選定において、定量的なデータに基づいた客観的かつスピーディーな意思決定のサポートを実現した。
導入前の課題:
仲介業者などから届く膨大な物件情報を手動で管理していたが、新規開院を加速するフェーズに入り、かつ情報が日々変化する中で、物件ステータスの鮮度維持と管理業務が非常に煩雑化していた。また、店舗開発の専門人材が不在のため、物件選定を全員が手探りで進めていた。
導入後の成果:
初期スクリーニング時間が大幅に短縮され、物件選定の効率化と時間の短縮を実現した。また、定量データを活用することで、感覚値に頼る属人的な意思決定から脱却。根拠に基づく議論の精度とスピードが向上し、チームでの戦略的な物件選定と支援先のクリニックフォアへの提案が可能となった。
――まずは、御社の事業内容と、吉沢様がご担当されている業務についてご紹介ください。
当社は、主に3つの事業を展開しています。1つ目はオンライン診療システム提供サービスです。Web上で予約から受診、支払いまで完結し、薬の宅配なども可能にするシステムを提供して、患者の利便性向上や医療従事者の負担軽減を実現しています。
2つ目はクリニックDX支援サービスです。クリニックにおける予約、問診、決済、カルテ記入など主要オペレーションのIT化を推進し、質の高い医療の実現をサポートしています。
3つ目はヘルスケアECサービスです。化粧品、コンタクトレンズなどの高度管理医療機器、処方箋不要の医薬品などのセルフメディケーション商品をオンラインで販売。さらに、オンライン服薬指導や処方薬の即時配送サービスも提供しています。
その中で、私が主に携わっているのは「クリニックDX支援サービス」であり、支援先のクリニックである「クリニックフォア」の新規開院支援を担当しています。物件選定支援や立地戦略策定支援などを通じて、ブランドの拡大を支えています。
――「クリニックフォア」ブランドの強みや特徴、それに伴う立地選定支援の考え方をお聞かせください。
支援先のクリニックフォアは、「いつも診る、すぐ診る」を実現し、生活者の健康上の不安を取り除く、プライマリ・ケアを実践するクリニックです。対面診療とオンライン診療を組み合わせたハイブリッド型の医療体制を通じて、保険診療と自由診療の両方に対応。ひとつの症状にとどまらず、疾患を横断して患者さまの悩みに深く向き合う「総合診療」を提供しています。
また、現代のライフスタイルに合わせた、通いやすく・安心できる医療提供を目指し、テクノロジーを積極的に活用することで、来院から会計までの平均所要時間は約15分(目安)。待ち時間のストレスを極力減らし、忙しい働く世代をはじめ生活者の皆さんが通いやすい仕組みを整えています。もちろん、キャッシュレス決済を導入しており、現金を使わずに会計が可能です。
クリニックフォアは、立地選定においても利便性を重要視されており、その方針に寄り添いながら支援を進めています。

(株式会社Linc’well 吉沢健介 様)
――「DataLens店舗開発」を導入されたきっかけを教えてください。
当社は、クリニックフォアの1院目の開院から2025年12月現在に至るまで、13院の新規開院支援を実施してきました。
「DataLens店舗開発」を導入する前は、仲介業者やデベロッパーなどから想定以上の物件情報が日々様々なフォーマットで届いていました。これを手動で管理するには限界があり、物件のステータスも刻々と変化するため、情報の鮮度を保つことや管理業務が非常に煩雑になっていました。
そうした中、以前からご縁のあったナウキャストさんより「DataLens店舗開発」をご紹介いただき、このサービスなら課題を解決できるのではと感じました。トライアル導入で有用性を確認できたため、正式導入に至りました。
――トライアル開始から1カ月ほどで正式導入を決められたと伺っています。どのような点が決め手になりましたか?
一番の決め手は、「煩雑だった物件管理を自動化できること」でした。特に、各物件の情報を手入力で整理する手間が削減されたことは大きかったですね。また、立地のポテンシャルを定量的に可視化できる点も魅力でした。
以前は物件数が多く、スクリーニングだけでも膨大な時間を要していましたが、「DataLens店舗開発」の各種機能を活用することで、スクリーニングの精度も高められるようになりました。
――導入時のサポート体制や開発面で印象に残っていることはありますか?
「DataLens店舗開発」は、Googleマップなど一般ユーザーにもなじみのある機能を組み込んでいるため、不動産や店舗開発の専門知識がない私たちでも直感的に使いやすかったです。
導入後のサポート体制についても、カスタマーサポートの方々とのフィードバックの機会を定期的に設けていただき、サービスに関して継続的なやり取りができています。疑問点や要望に対してきめ細やかなレスポンスが得られるなど、コミュニケーションのしやすさや、サポートの手厚さにも非常にメリットがあると感じています。
――「DataLens店舗開発」の導入による成果についてお聞かせください。
最も顕著な成果は、物件選定支援における業務時間の短縮と効率化です。「DataLens店舗開発」導入前は、膨大な情報を日々一つずつスクリーニングする必要がありました。また、不動産仲介業者からの情報には、既に契約が決まってしまった物件や複数の業者から送られてくる重複物件も多く含まれていました。
導入後は、取り込まれたデータ上での重複チェックや、地図上へのプロットによる物件の位置関係の明確化などが可能になったため、初期スクリーニングの時間が大幅に短縮されました。
特に、従来はGoogleマップで住所を1件ずつ検索・比較していた作業が、一覧性をもって視覚的に行えるようになり、情報共有や比較検討が非常にスムーズになりました。また、以前は記憶ベースで「これって3カ月前に見たよね?」といった重複した議論が発生していましたが、それも解消されましたね。
――「DataLens店舗開発」導入によって、社内やクライアントとのコミュニケーションはどのように変化しましたか?
社内メンバーやクリニックフォアとの協議の場では、リモート会議ツールで「DataLens店舗開発」の画面を共有しながら議論を進めています。このデータ活用によって、従来の「感覚値に頼る属人的な意思決定」から脱却でき、議論の精度とスピードが格段に向上したと感じています。
――今後の「DataLens店舗開発」活用における展望をお聞かせください。
基本的には、現在の効率的な物件管理をさらにブラッシュアップする形で活用していくつもりです。今後、プロダクトに新しい分析指標や機能が追加されれば、より業務効率化が図れると期待しています。
「DataLens店舗開発」は、新規開院支援を支えてくれる頼もしい存在です。ユーザーの声を反映しながら進化していくサービスとして、今後も一緒に成長していけることを楽しみにしています。
※所属・肩書等は取材当時のものです。
取材・文:エクスライト
写真:關剛彦

「DataLens店舗開発」(特許出願中)は、クレジットカード決済データや人流データなどのオルタナティブデータと生成AIを用いて物件情報の収集・管理の効率化と物件選定の最適化を実現し、店舗開発者のデータドリブンな意思決定を助けるツールです。